人間関係のパラダイムを考える―自己主張をうまくするには#1―

人間関係のパラダイムは『7つの習慣』で言えば基本6つ。
すなわち

Win-Win
Win-Lose
Lose-Win
Lose-Lose
Win(自分が勝つ)
Win-Win or No Deal(Win-Winが無理なら、取引をしないことに合意する)

の6つです。

目指すべきはWin-Winなのですが、人間関係のパラダイムを形成していくには、まず人格があり、人間関係ができて、協定に結びつきます。
いずれにしても、『7つの習慣』が終始伝えている通り、人格がすべての土台であることにかわりはありません。

そしてそれらを補完する要素としての「成熟さ」が問われます。
ひととしての成熟は、バランスの良さにあらわれるというわけですね。

Win-Winを考えるには、勇気と思いやりへのバランス感覚はもっとも求められるものと言えます。

このバランスを欠くと、勇気への偏りはたちまちWin-Loseをうむし、思いやりに偏向はLose-Winというパラダイムを連れてきます。

バランスの良さ、成熟さは、不可欠なのです。

すぐれたバランスを保っている者同士、Win-Winを目指す要件を両者が備えていればコトはそれほど難しくありません。
しかし難しいのは、必ずしもそういうことは多くなくて、むしろそうでない自己都合を押しつけてきたり、あたかも良いことのように「自己犠牲」を行う者たちの方が多い、ということです。

自己主張をうまくやるということは、実は他の人たちとよい人間関係を持ち、仲良く付き合うためにとても必要なことでもあります。

つまり、自己主張をしないのは、良い人間関係を保つことが難しくなるということです。Lose-Winをつくりやすいひとはこのあたりをしっかりと理解して欲しいと思います。

人間のコミュニケーションは大きく2つにわかれます。

1.相手に対する要求を含まないコミュニケーション
2.相手の行動に影響を与えるためのコミュニケーション

前者は例えば、おはよう!とかこんにちは!といった挨拶。あるいは、今日は良い天気ですねといったような、事実を言葉にしたもの。

後者は、あれやってこれやってといったお願いや、そういうことはしないでといった指示、あるいはお願いを断ることや、説得するようなコミュニケーションを指します。

どっちが難しいかは明白でしょう。

他者の行動に影響を与えるためのコミュニケーションは、自分ひとりで成立させることができませんし、また他者をコントロールすることは原則としてできませんので、そこに軋轢がうまれることがあります。

人間関係をよく保ち、上手に自己主張するということは、つまるところこの他者への要求や、他者からの要求を断るといったコミュニケーションを上手にとるということになるのでしょう。

自己主張を上手に行うには少しコツが必要です。
次回、技術的な話を少ししてみたいと思います。

#2へつづく