人間関係のパラダイムを考える―自己主張をうまくするには#2―

自己主張を上手におこなうコツ。

アドラー心理学の権威である野田俊作先生が著書『勇気づけの方法/アドラー心理学を語る4』で、頼み方の4つのパターンについてまとめています。

1.主張的な自己主張

これが理想的な自己主張のカタチです。
自分の要求をはっきりとクチに出して伝えるけれど、一方で相手が傷つかないよう、勇気を失わずバランスをもって対話ができるような配慮をする態度です。

Win-Winのパラダイムをもって行うものです。

2.非主張的な自己主張

しかし、ひとは常に1のような態度で接することはなかなかできません。非主張的な自己主張というのは、自分の要求をクチに出さず、引っ込めるような態度です。

言いたいことや、伝えたいことはあるのだけれど、それを伝えることで何か問題が起きそうだとか、自が傷つきそうだと感じ、それを避けるようなコミュニケーションですね。

これは対人関係において問題が起きないようで、実は自分の勇気がくじかれている点で問題は起きていますし、あるいは自分が目に見えない傷を負うことで結果として相手も傷ついてしまうようなことがあるかもしれません。

また、自分の意見をしっかりと伝えないということは、相手が誤解をするかもしれないという責任を負う必要があります。誤解されたまま放置するということは、その結果に責任を負う覚悟も持たなくてはなりません。

3.攻撃的な自己主張

攻撃的な自己主張というは、自分の要求をはっきりクチに出していうけれど、それがちょっと攻撃的、すなわち相手の感情を傷つけるような態度の自己主張です。

極端に言えば相手をおびえさせることで自分の要求を通そうという態度ですね。これがまぁ言ってみれば人間関係のトラブルのもとになります。

多くのひとは、この2と3を行ったり来たりするんですね。

4.復讐的な自己主張

最悪なのがこれです。
復讐的な自己主張というのは、自己主張をクチにはせずに、態度などで相手を傷つけようとする自己主張(復讐的な態度)です。

「いいよ、もうそんなんならオマエには頼まないよ。」のように、頼まないと要求を引っ込めておきながらも、相手の感情を傷つけるようなやり方です。

《次回、主張的な自己主張について
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