専任コーチを雇うよりも,ずっとリーズナブルにお手軽にコーチングができてしまうという点でセルフコーチングは実に有効です。
ひとりでできるがゆえに,自分の好きなタイミングで,少しずつコツコツすすめられる点もセルフコーチングの良いところです。
しかし,セルフコーチングはただ自問自答をすればよいというものではなく,それなりに訓練を積んだほうが効果的なコーチングができますし,もっと言うと自問自答で行うセルフコーチングは,自分自身にダメージを与えかねないので,しっかり理論体系を学んでから実践して欲しいと思います。
セルフコーチングってあたりまえですけれど,ひとりでやります。
ひとりでやると,イケない方向に行ってしまっても誰も止めてくれませんし,誰も助けてくれません。うまくいっているのかいっていないのか,よくわからないままにすすめることになってしまいますし,そうすると,もしかしたら悪い方向にコトが運んでしまって,戻ってこれなくなってしまうかもしれません。
そもそも自問自答って,よく考えてみて欲しいのですが,これがうまく解決に結びつくコトってあんまりなくないですか?
なぜあんなことをしたのだろうか?
なぜ私は失敗してしまったのだろうか?
どうしてこんなことになっちゃったんだろう?
みたいな自問自答。
グルグルして,結論なんて出ません。
それもそのはず,終わってしまった出来事に対して,なぜ,なんで,どうして,と WHY を連発したところで事実を変えることはできません。ただただ自分自身を責めて,辛い想いをした自分をさらに辛いところへ引っ張ってしまうのです。
ひとりで無意識にやる自問自答って,こんなふうになりがちですよね。
実のところ,セルフコーチングは客体からのアプローチなので,自問自答することとはちょっと違うんですね。
自分で自分に問いかけるという意味では自問自答は自問自答なのですが,グルグルから抜け出せるような効果的な問いかけこそがコーチングの大事なところなので,そういう効果の高い問いかけを学んで,自問自答がつくりだすグルグル&ネガティブスパイラルから見事に抜け出せるアプローチなのです。
決まり文句みたいな,決め台詞というか,「決め問い」をセルフコーチは持っていて,もうひとりの自分は決め問いを適切に送ってくれる,というのが良いセルフコーチングです。
あるいは,
なぜ目標達成できなかったんだろうか?
と自問自答するとき,
WHY を WHAT にするだけでもかなり違ってきます。
自分に対して「なぜ目標達成できなかったんだろう?」と自問自答すれば「あのとき,あんな失敗したからなぁ」とか「前半ちょっと手抜きしすぎたかなぁ」とか,事実に対してではなく,主観的な原因探しになりがちですが,これを WHAT にすれば事実へのアプローチになりやすいです。
なにが目標達成できなかった原因だろうか?
なにが目標達成を阻んだのだろう?
こうなると自問自答というよりも,ミーティングでみんなで次回目標達成に向けてブレストしてるカンジ出ませんか?
脳内会議は客観性をもって行うものです。
それを脳内コーチからの問いかけで始めるのがセルフコーチングというわけですね。
と言っても,言い方変えただけで内容は同じなので,どのような問いかけ方にしたところでネガティブスパイラルに陥ることはあるでしょうけれど,そうなりやすい問いかけと,そうなりにく問いかけがあるということがまずは大事なことです。
単なる言葉遊びと決めつけずに,試してみることをオススメします!
《さらに続く》