仕事で悩んでいるからといって,じゃぁカウンセリング受けよっかーとは,なかなかならないですよね。
それがまだスタンダードでないからなのか,そういう文化の定着にはまだまだ時間がかかるのか,社会情勢は間違いなくマルチキャリア大勢の方向にシフトしつつあると感じているのですが,キャリアを築くために専門家の助力を借りるという選択肢は結構遠い印象ですね。
厚生労働省が考えているとおり,新しい時代にはキャリアコンサルタントは必要な専門性を持つ職業となるでしょう。
なのに,仕事やキャリアのことを相談するのに,専門家の門戸を叩くことへのハードルは高目なんですよね。
はじめて仕事相談をキャリアコンサルタントにしよう!と考えたとして,どこにハードルの高さを感じるのか,考えてみましょう。
はじめてのキャリアコンサルティング
僕が初めてキャリアコンサルティングを受けたとき,まず何に障害を感じたかというと
1)キャリアコンサルタントを知らない
2)キャリアコンサルティングって要するに何か知らない
3)仕事の悩みって,その職場のひとじゃないと相談できないと思っていた
4)仕事の悩みぐらいでお金払って相談なんて…と思っていた
5)同僚に相談することと何が違うかよくわからない
6)悩みを誰かに打ち明ける勇気が出ない
7)相談にお金を払う文化がない
8)どのコンサルタントに頼めばよいのかわからない
9)どの程度の悩みなら受けてもらえるのかわからない
10)ホントに悩みが解消するのか懐疑的
いろいろありますよね。
ええ。
とりあえず
こんな悩み,相談するなんて恥ずかしい,なんてことはないので,どんな悩みでもとりあえずモヤモヤを解消する手段として選択肢に入れてみて下さい。
美容院へ行くぐらいのつもりで良いのです。
何か話してみたい内容がボンヤリでもあるだけで,コンサルタントさんがしっかりと拾ってくれます。ボンヤリをクリアにすることだけでも十分な効果だと感じることができるでしょうし,そもそもオトナになってから自分のことをだけに1時間も時間を割いてくれるなんてことはそんなにありません。
癒やしの時間,仕事汚れのデトックスぐらいの感覚でいいのです。
少なくとも僕のキャリアコンサルティングはそういう位置づけでやってます。
さて,それでは先にあげた10の障害のうち,今日は特に「誰に頼んだらいいのかわからない」問題について一部解消しましょう!
キャリアコンサルタントもたくさんいますから(今,がんばって増やしている最中です),どのひとに相談するのがよいのかわからないってことはあると思います。
自分にあったキャリアコンサルタントを探すにはこんなふうにしてみてください。
ここからキャリアコンサルタントを検索できます。
試しにお住まいのエリアで登録しているキャリアコンサルタントがどれぐらいいるのか検索してみてください。
その中でもしかしたらピンとくるようなキャリアコンサルタントさんがいるかもしれません。
僕ならまずは写真です。
まったく知らないひとに相談をするのは誰だって逡巡するでしょうから,信頼度合いが高いひとを相談相手に選ぶのがよいと思います。したがって顔写真があるひとの方が,同じ知らないひとでも,親近感もわきますし,顔を出してしっかりと仕事をしているという点でも信頼ができます。
キャリアコンサルタントとしての技量も気になりますよね。
同じ専門家でも腕は千差万別。
ピンからキリまでそろっています。
キャリアコンサルタントに技量をはかるのに,わかりやすいのは資格の有無です。
資格があるから自分にとって最高かどうかはわかりませんが,一定の技量は担保されますから,1級技能,2級技能,の技能試験を合格しているひとであれば技術的な問題はないと考えます(その代わり金額はあがります)。
それから実績としての面談の数で,ある程度はかれるかもしれません。
多い方が場数を踏んでいる分だけ腕が良いかもしれませんね。
ただ面談数って何をもってカウントしているのかは不明なので,鵜呑みにもできません。
たとえば僕なんかは
20年も大学に勤めていて,学生支援業務ばっかりやっていたので,それこそ関係する学生数は10万人以上ですし,実際に窓口で支援したことがある学生だけでも相当な数です。
一方で,継続的にしっかりとプロフェッショナルな面談を行った回数をカウントするならそんなにたくさんにはなりません。
職員向け研修なんかもやっていたり,職場での1on1をはやくから僕は取り入れていたので,これら部下との面談をカウントすれば10人の部下に対して,週1回,これだけで年間数百件になるので,10年もやれば数千件単位の面談数とカウントすることだってできます。
だからといって,キャリアコンサルティングとこれらの面談が同じかどうかはわかりません。
職務として大学のキャリアセンターに勤めていたり,企業内キャリコンという立場で面談していたりすれば,自ずと相談件数は多くなるでしょうけれど,身内に対するキャリアコンサルティングの件数と,まったく知らないクライエントに対するキャリアコンサルティングは同じではありません。
とりわけ大学のキャリアセンターでは,僕の経験上,学生さんを相手にすることから,我々の方にも学生さんにも,無意識に縦の関係ができてしまっている状態からのスタートとなります。もしかするとこれらのキャリアコンサルティングは,一般的な社会人や年齢や役職の高いひとたちを相手にキャリアコンサルティングをすることとは若干異なるかもしれません。
あと意外と大事なのは好みとか,相性とかです。
話し方の好みとか。心地よさとか。
声質とか,トーンとか。
誰とでも相性ピッタリなんてことはたぶんありません。
どんなに技量の長けたキャリアコンサルタントさんでも,話の内容や分野の得手不得手はありますし,クライエントさんとの相性もあります。
こればっかりは話してみないことにはわからないかもしれませんが,キャリアコンサルタントさんがブログを書いていたり,自己アピールを書いていたり,自己紹介や得意な分野について説明をしてくれていたりすれば,そういうものとしっかりと読むことで雰囲気がつかめるかもしれません。
逆に言えば,キャリアコンサルタントは,できる限りの自己開示をWEBSITEやブログなどで行うことで,安心してクライエントさんがコンサルティングを受けてもらうための土壌作りに役立つと思います。
キャリアコンサルティングを受けるのに注意すること
1)特に準備は不要です。
なんか,相談するからにはそれなりに調べたり,試してみたり,ある程度行動してからではないとイケない,なんて殊勝な考えは不要です。
何から始めたら良いのかわかんない,というレベルで相談に来て下さってかまいません。
むしろ特に困ってなくても,定期的に今の自分の状況や,やるべきこと,やりたいこと,キャリアをどう計画していくか?みたいな話をざっくばらんにしてもらうぐらいのつもりでOKです。
2)仕事の内容に関しての相談はできません。
これはたぶん大丈夫だと思うのですが,お客様にこんなことを尋ねられていますが,どのように回答したらようでしょうか?とか,品番3490-Eってどんな商品でしたっけ?と相談していただいてもたぶん応えられません。
そういうのは,職場の上司に相談したほうがよいでしょう。
でも,仕事のやり方などで上司の指示が納得いかないとか,同僚の行動にモヤモヤしちゃうなんてことならキャリアコンサルティングにもってこいの内容です。このぐらいの悩みでもいいの?なんて考えなくてもいいのです。
自分のことをしっかり内省する大事な時間。
リラックス&リセットする1時間は,明日への活力になります。
3)匿名でも受けられます
対面かオンラインでカメラ&マイクONでの1on1が一般的というか,いちばんやりやすいのは確かですが,特にご希望であれば音声だけでも結構ですし,ニックネームでの相談でも構いません。
信頼関係って簡単に言いますけれど,そんなに簡単に相手を信頼することができないという方にとって顔を見せたり,本名を言ったりすることがお辛いようでしたら,その旨お伝え下されば対応できます。
中長期の継続的な支援であればしっかりとした契約が必要なので,契約上必要なことについては聞くことがありますが,単発のご相談でオンライン決済が可能なものであれば,たいての場合,そこまでの個人情報を取得することはないと思います。
いずれにしてもまずは,あなたが望む方法についてお知らせいただければいいかなと思います。
まとめ
今日ははじめてのキャリアコンサルティングについて少し書きました。
何事もはじめの一歩は勇気がいるものです。
行ったことのない美容院へ行くときも,ドキドキとワクワクと少しずつあるはずです。
ひとは基本的に変化を好まない生き物ですから,これまでの日常を変えることには相応の勇気が必要です。
ただ,ひとつ。
現状を脱したいとか,現状に変化をもたらしたいと感じるのなら,行動するほかありません。これまでの習慣のうちの何か一つでも変えるのです。実際に変えてみて,試してみて,その変化を感じて下さい。
変化するとき,苦痛や苦労や,違和感や気持ち悪さがきっとあります。変えるだけですごく大変なのです。もしもそれ以上に心地よさやワクワクや,開放感や好奇心を満足させる何かがそこにあれば,がんばって習慣化し,定着するまで続けてみてください。
定期的なキャリア・カウンセリング。
キャリアの定期健康診断は,あなたの最初をいつでも待ってますよ!