『7つの習慣』で,コヴィー博士は人間には他の動物にはない4つの能力がある,と言っています。
すなわち,自覚,想像,良心,意志の4つです。
7つの習慣セルフコーチングでは,これらの4つのチカラをコーチングと関連付けさせ,自分自身をコーチとして持つために最も大切な「客観性」を考えます。
客観とか,客体とか言ったとき,僕らはとても一般で冷静で,あたかもそれが世界の標準であることをイメージするのですが,実のところそれすらも主観に過ぎないことに気が付いて愕然とすることがあります。
私が私である以上,主観から逃れることができないということになりますが,しかし重要なのはそういうことを含めて「自覚」することです。
主観に気が付き,客観を「想像」すること。
これがなくてはセルフコーチングが始まることはないでしょう。
7つの習慣の基礎原則である「パラダイム」と「パラダイムシフト」を意識すれば,「自覚」はその最初の一歩となります。自分のパラダイムに気が付くことが,パラダイムシフトを強制的に起こすきっかけになります。反対にパラダイムに気が付くことがなければ,パラダイムシフトは偶然にしか起きません。いえ,偶発的な何かがあったとしても,それがパラダイムの自覚を誘発しなければすべてのひとにパラダイムシフトが起きることはないでしょう。
しかし,「自覚」をいったいどのように使うのでしょうか。
いつ,何時,どのようなタイミングでも「自覚」の能力を使うことができれば,自ずと自分のパラダイムに気が付くことができるでしょうけれど,実際にはそんなことはありません。
外圧により自覚を促されることもあれば,内省による気付きもあるでしょう。コーチがいれば,その対話の中で私たちのパラダイムは浮き彫りになるでしょう。
「自覚」を効果的に用いるためにセルフコーチングはとても有用です。セルフコーチングを身につけて,これを日々実践することで「自覚」の能力は遺憾なく力を発揮してくれるでしょう。
あるとき急にできるようになるものではなく,気が付けばできているようなものです。訓練を続けることで,できていることに気が付かなくなりますから,そうなれば自己のパラダイムに気が付く確率が飛躍的に高まります。
可能な限り客観性をもった問いが,自然に内なるコーチから発せられるようになれば,頭の中をぐるぐると駆け巡る「自問自答」とは異なる結果を得られるかもしれません。
7つの習慣セルフコーチングは,「自覚」を促し,「想像」をもって狭められた視野を拡げます。もしもあなたが今抱えている問題について,秘められたパラダイムに気が付くことができたなら,自分自身を縛り付けているルールに疑問を抱けたなら,セルフコーチとの対話の中で,さらに洗練され,やがて「良心」と「意志」をもってその鎖から解き放たれるでしょう。
結果としてその問題が解決することもあるでしょうし,問題が解決しなくても問題ないとコーチが言ってくれるかもしれません。あるいは,しばらく留保しておくことをすすめるかもしれません。
セルフコーチングがあなたに新しいパラダイムをもたらすことを期待します。勇気をもってパラダイムを解き放ちましょう。